「特許情報分析とパテントマップ作成入門」を読んでの感想と本書の使い方

この記事は、9月に発売された株式会社イーパテントの野崎篤志さんの表題書籍に関する書評というか感想と本書の使い方などのメモです。

本書は特許情報分析業界のパイオニアである野崎さんの著書であり、特許情報分析を全体俯瞰から実務上必要な部分については詳細説明を加えるように構成されています。私も開業後パテントマップ作成や特許情報分析についていくつかのセミナーで教えている立場ですが、参考になる部分はとても多いです。

もともと初版を購入して、パテントマップを作る際に分析の型やヒントを求めてよく読んでいました。

第二版は、初版を所有しており発売時に購入しなかったせいで、いつのまにかプレミアムが付きまくり1万円ほどの高額書籍になっていたため買う気がなくなっていました。そこに、第三版の計画を聞いてずいぶん待った待望の第三版になります。

野崎さんには開業後にイーパテントのライブ配信などいろいろお世話になっているのもあり、書き込み用、保存用、布教用の3冊買って売り上げに貢献しました(笑)
とはいえ、私がそんなことをしなくてもかなり売れているそうです。

内容としては、単に「パテントマップをどうやって作るか」を解説するだけではなく、なぜ分析をするか、それをどのように活用するか、分析の進め方、注意点など、パテントマップを作り特許情報分析として有効活用するための関連知識が網羅的にまとめられています。

なので、一気に通読して全部試してみるというような書籍ではなく、本書の記載内容について一通りの場所をまずは把握しておき、必要な場合は付箋などをつけて、そのパートの業務をするときに関連部分を探し、一般論としてどのようにすべきかを確認するのがよい使い方ではないかと思います。

また、まとめられた関連知識のなかにはMicrosoft Excelの関数なども含まれていますが、私もその分野はかなり掘り下げていたつもりでしたがそれまで知らなかった「CORREL関数」が紹介されていたりと、かなり深い部分まで記載されている箇所も多いです。この関数について本書で知って早速分析に活用しています。

さらに、野崎さんの本の特徴として、これでもかというぐらい参考文献を示してくれます。分析結果をまとめる際には先行研究などを根拠に示す場合も多いですが、このような点でも便利に使えています。第三版では利便性を考慮し出典がスプレッドシートで共有されており、利便性はさらに上がっています。

このような関連知識を知っていることで分析に厚み、場合によっては意味が出るようになります。例えば、出願人と特許分類を軸に取り集計すればパテントマップは作れます。また、それをもって特許情報分析をしていると言えるかも知れません。しかし、実際問題としてそれだけでは意味のある分析とは言えない場合がも多いのです。そこで、これらの関連知識を使い思考を重ねることで意味のある分析とすることができる場合もあるのです。

2023/11/12修正・追記
最後に、本書の購入に関連する残念な点として発売からかなり時間が経過してるのもかかわらずAmazonで版元からの正規ルートでの取り扱いがされていないようで、割高な転売品しか並んでいません。
なので購入される場合は発明推進協会の以下のリンクのECサイトから購入するか(送料も無料のようです)、

書籍詳細 (jiii.or.jp)

amazonでも正規価格での販売が開始されたようなので、amazonのアカウントがある人はこちらからのほうが楽に購入できますね。

特許情報分析とパテントマップ作成入門 第3版 | 野崎 篤志 |本 | 通販 | Amazon

本記事は、以上です。