IPランドスケープの推進派と慎重派の話について思うこと

今朝Twitterを眺めていたら、IPランドスケープ(IPL)を進めたいTwitterユーザとその上司に温度差がある旨のツイートを見つけたので、自分が思うところを連投でツイートしました。

IPLに対するまとまった内容になったので、私が書いた部分について若干加筆修正して以下にまとめたいと思います。

【以下ツイートのまとめ】

両方の気持ちはどちらもよく分かるなぁ。 私は権利化も分析も両方やりたくて、両輪でやってこそ意味があると思うし、IPLが有望市場だと思うからこそ、そこも強みにできると思って今の形で独立して開業しました。人生かけてますよ。

そうは言っても今まで見てきたパテントマップの失敗例は数えられないほどあるし、IPLを看板の付替えでしょって思う気持ちもよく分かる。

IPLはパテントマップ以上に概念が多義化・複雑化していて、一人ひとりが持つイメージはほぼ違うもので、知財での経験が多ければ多いほど否定的な印象を持つのも良く分かる。

そもそも通常の調査、権利化、管理、渉外、発明者報奨、教育、ノウハウ管理などなど今ある仕事をしっかりこなすべきで、知財部が持つお金も時間も有限なのに、そんな訳の分からないことに割く余裕はないよって思う気持ちも痛いほどわかる。

でも、成功している会社が情報発信しているように、しっかりやれればやっぱり効果はあるし、不用意には使いたくない言葉だけど『戦略的』に自社資源を活用するには、戦況分析とそれに基づく行動変容は不可欠になる。

①パテントマップを含む分析で今の課題、勝ち筋を探って、②その勝ち筋を社内に発信して、主に直接部門と経営層の行動に関与して、 ③課題を潰せるように、勝てるビジネス分野・地域で計画的に権利化して、 ④必要に応じて権利行使も行っていく。そんな簡単じゃないですよね。

というのを数年、十年単位で回わさないと意味がないし、成果をあげるのはなかなか骨だし、上司は責任もあるし、胆力がないとやらないかなと思います。あっても、先を考えて責任を持って始めるには、頭でわかってもダメで、腹落ちできないとやりません、やれません。理解は頭でする。覚悟は腹でする。

そうなると、そんなんことより権利化をしっかりやろう!先願主義なんだからIPLよりも一日でも早く出願できるように明細書のチェックよろしくねって言いたい気持ちもよく分かるんですよね。

とはいえ、私も頑張ってIPL含む知財活用を日本で普及させたいなと思っている一人です。頑張っていきましょう。 まとめると

知財活用もむずい

かなと思います。終わり